臨床経験
人工足関節について
高倉 義典
1
,
北村 紀文
1
,
北田 力
1
,
山下 正道
1
,
増原 建二
1
,
梅垣 修三
2
,
広岡 靖隆
2
,
小野 魏
2
,
清水 豊信
2
,
山口 武史
2
Yoshinori TAKAKURA
1
1奈良県立医科大学整形外科学教室
2東大阪市立中央病院整形外科
pp.177-184
発行日 1977年2月25日
Published Date 1977/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905480
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はじめに
関節間相互の関連が乱れ,疼痛の持続する足関節症に対して近年まで関節固定術が施行されてきた.しかし,その成績,外固定の期間および日常生活動作の制限などに問題が残されている.これに対して1973年BuchholzとLordがそれぞれ異なつたtypeの人工足関節を発表して以来,欧米において近年施行されてぎつつある.Buchholzは第1図のごとく関節本来の姿に近い人工関節を作製し良好な結果を得ている1).一方Lordは全人工股関節の臼蓋と骨頭の関係を逆にした球関節の人工関節を考案し,その臨床例を報告しているが,その結果については不明である2).そのほか多種多様の関節が開発され臨床に供されつつある.
そこで,われわれは日本人の足関節を基準にして足関節のsimulatorを作製し,摩耗実験を行い,その結果を基にして人工関節を作製した.現在までに外傷後の足関節症,化膿性関節炎後の関節症および関節リウマチに全置換術を施行したので,それらの症例の経過,手術方法および術後成績を報告し,併せてその適応,人工関節のtypeの選択および今後の問題点を検討する.
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