論述
産科学的背景よりみた先天性筋性斜頸の成因とその問題点
沖 高司
1
,
篠田 達明
1
,
村地 俊二
1
,
若山 日名夫
2
,
石川 忠也
2
Takashi OKI
1
1愛知県心身障害者コロニー中央病院
2名古屋第一赤十字病院整形外科
pp.552-558
発行日 1978年6月25日
Published Date 1978/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905724
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いとぐち
先天性筋性斜頸(以下筋性斜頸と略す)の成因に関しては,1838年Stromeyerの分娩外傷説を始めとし,胎内圧迫説,外傷炎症説,野崎説等幾多の仮説が提唱され,同時に,それらを立証,もしくは反証すべく産科学的,病理学的および実験的研究が多数報告されている。近年,その中で胎内圧迫による虚血説および野崎説が注目されているものの,十分に解明されるに至つてはいない.その上,これらの研究より,筋性斜頸の発症に対して産科学的要因の関与は明らかとなつて来たが,未だ,産科学的背景についての十分な検索がなされているとはいえない.
著者らは名古屋第一赤十字病院における新生児検診の結果,発見された171例の筋性斜頸児15)の産科学的背景について調査を行ない,興味ある所見をえたので報告する.またこれらの結果にもとついて,筋性斜頸の成立機転について考察を加える.
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