臨床経験
新生児筋性斜頸の臨床像について
沖 高司
1
Takashi OKI
1
1愛知県心身障害者コロニー中央病院
pp.702-707
発行日 1978年7月25日
Published Date 1978/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905747
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いとぐち
篠田20-22)による徒手筋切り術および無処置経過観察という,新しい観点にたつての治療法が発表されてより,幾多の追試も報告され,筋性斜頸の治療法が体系づけられつつあるが,一方筋性斜頸の診断に関しては産科医,助産婦および母親等家族による発見に頼つているのが現状である.そのため,胸鎖乳突筋の硬結が大きくなつた生後1ヵ月前後に発見される症例がほとんどで,それ以前の筋硬結が形成される時期については,いまだ十分には解明されていない.
また近年,先天性股脱の早期発見を目標に,新生児検診が全国各地で行なわれているが,筋性斜頸についてはほとんど注目されていない.著者らは昭和44年から名古屋第一赤十字病院において,先天奇形全般にわたつての新生児検診を行なつている.その結果,昭和48年までの5年間に7,262名の新生児が検診され,生後10日以内の新生児期に104例(以下新生児筋性斜頸と称す),生後10日以後の乳児期に67例(以下乳児筋性斜頸と称す)の筋性斜頸が発見された.これらの症例の臨床経過をのべるとともに,特に筋性斜頸の発生頻度および発症時期について考察を加える.
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