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臨床経験
椎体圧潰を来した脊椎カリエスの診断―骨粗鬆性圧迫骨折・転移性脊椎腫瘍との鑑別
Tuberculous Spondylitis with Vertebral Collapse : Differential Diagnosis from Osteoporotic Fracture and Metastatic Tumor
岩名 大樹
1,2
,
井澤 一隆
1
,
北村 卓司
1
,
鍋島 隆治
1
,
米延 策雄
3
Daiki Iwana
1,2
1国立療養所刀根山病院整形外科
2現:市立吹田市民病院整形外科
3国立大阪南病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Toneyama National Hospital
キーワード:
spine
,
脊椎
,
tuberculosis
,
結核症
,
osteoporosis
,
骨粗鬆症
Keyword:
spine
,
脊椎
,
tuberculosis
,
結核症
,
osteoporosis
,
骨粗鬆症
pp.859-866
発行日 2002年7月25日
Published Date 2002/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903596
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抄録:単純X線写真上椎体の圧潰が主たる所見で,脊椎カリエス,脊椎転移性腫瘍,骨粗鬆性圧迫骨折の鑑別診断が困難であった症例を分析し,どのようにすれば早期診断につながるかを検討した.対象は脊椎カリエス(C群)10例,肺癌転移性脊椎腫瘍(M群)8例,骨粗鬆性圧迫骨折(O群)10例でいずれも単純X線写真のみでは診断が不確実で鑑別を要したものであり,各群の病歴,症状,画像所見,検査所見について統計学的に比較検討した.病歴,症状,検査所見には有意差を認めなかったが,画像所見では,特にCT,MRI検査にてカリエスに感度,特異度の高い所見を認めた.鑑別診断が困難であった理由について検討したところ,C群では全例初期診断の遅延や誤りがあった.統計学的には画像診断が鑑別診断に有用であったが,誤診例や鑑別に苦慮した例を考慮すると,生検による組織診断はもちろん既往歴,合併症,症状経過,治療への反応など,総合的な検討も重要であった.
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