検査法
Müllerの全人工股関節置換術の術前作図法
藤原 紘郎
1
,
角南 義文
2
,
長野 健治
3
Hiroo FUJIWARA
1
1岡山労災病院整形外科
2岡山大学医学部整形外科学教室
3厚生年金高知リハビリテーション病院整形外科
pp.1069-1076
発行日 1977年11月25日
Published Date 1977/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905616
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はじめに
Charnleyによつて組織的に始められた全人工股関節置換術(以下THRと略す)は,広く整形外科医によつて熱狂的に取り入れられ,事実多くの股関節疾患の患者に光明を与えている.そして小手先の器用さだけで挿入されたTHRでも近隔成績は幸いにも非常に優れていることが多い.しかし安易な考えからTHRをすれば将来に必らず悔を残すことは明らかである.そもそも股関節に限らず人工関節の手術は生体力学的に証明された正しい位置に人工関節を挿入しなければならないことは手術を行なう上での第一歩であり,もつとも重要なことである.そのためにTHRでは下肢における骨切り術とおなじように,術前に正確で合理的な作図を行なつておく必要がある.著者らはBern大学においてMüllerのTHRを習得してきたが,とくにここではMüller教授に等脚長にするための術前作図法の教示をうけたので,これを中心に紹介し,われわれの症例をつけ加えて説明したい.
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