臨床経験
上腕骨末梢骨端のfracture separationの1例
獅子目 賢一郎
1
,
種田 陽一
1
,
杉浦 譲
1
Kenichiro SHISHIME
1
1山田赤十字病院整形外科
pp.721-724
発行日 1977年7月25日
Published Date 1977/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905562
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はじめに
小児の上腕骨末端部はほとんどが軟骨であるが,その形態は成人のものと大差がないといわれている.軟骨構造が多いため,外傷による抵抗に弱く損傷をうけやすい.日常の診療でよくみかけられる上腕骨末端の骨端離解骨折は,外顆骨折,内上顆骨折がほとんどである.これら2つの骨折は一般に6歳以上の小児に発生し,X線診断も注意深く検討すれば決して難かしくない.しかし,これら2つの骨折より発症年齢が低く,epiphysisが全体としてepiphyscal plateで離解して骨折する上腕骨末梢骨端のfracture separationとよばれるものは極めて稀である.
今回我々は,本骨折の1例を経験したので若干の考察を加えて報告する.
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