手術手技
高度腰椎辷り症に対する創外整復および固定器"Wire reduction device"の試作と応用
大木 勲
1
Isao OHKI
1
1自治医科大学整形外科学教室
pp.691-694
発行日 1977年7月25日
Published Date 1977/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905556
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はじめに
腰椎辷り症に対する治療法は,その愁訴発現の機序が解明されていないことにも関連して,保存的治療法を主張する一派がある一方,保存的治療法では満足する結果が得られないことからも観血的治療法を選ぶ人も多い.しかし辷り度が50%を越える高度辷り症では脊椎の不安定性が強く,保存的治療法には反応し難いことなどから絶対的手術の適応となるものと考えられる.手術法には前方椎体固定術,後方固定術,後側方固定術,椎弓切除術または神経根圧迫除去術,辷りの整復と各種固定術の併用などいろいろな方法が考案され試みられている.辷った脊椎を生理解剖学的位置まで整復した後に,完全な固定術を行なうことが理想的治療法であることは異論のないものと思われる.この理想的治療法を行なうための一つの方法として,著者は創外より鋼線にて牽引して整復を行ない,同時に整復位に固定する手術器械を考案して実用に供してみたので,この器械の応用方法などについて述べることにする.
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