論述
膝関節造影法について
冨士川 恭輔
1
,
伊勢亀 富士朗
2
Kyosuke FUJIKAWA
1
,
Fujiro ISEKI
2
1佐野厚生総合病院整形外科(慶大整形)
2慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.216-230
発行日 1976年3月25日
Published Date 1976/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905322
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はじめに
いわゆる膝内障の診断は,臨床症状からのみ確定することは必ずしも容易ではない.また,疑いはあつても,確定診断に至らない症例が少くない.確定診断のための補助診断法としての関節造影法は侵襲も軽微で外来で簡単な手技で,誰にでも行いうる利点がある.
1900年代初期に,RobinsonとWerendorffによつて膝関節に空気を注入する膝関節造影法がはじめて報告された.その後1930年代まで大きな進歩はみられなかつたが,1930年代初期に,陽性造影剤が導入され,さらにほぼ同時期に空気と造影剤による二重造影法も行われるようになつた.造影剤の変遷も様々で,1930年代初期には,iodoxytypeが,その後iodopyracetate typeが長い間用いられ,短期間ではあるがacetrizoateが用いられたこともある.その後diatrizoateが用いられるようになり現在に至つている.
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