臨床経験
巨大な後腹膜腫瘍を伴つたレクリングハウゼン病の1例
二見 俊郎
1
,
中島 啓雅
1
,
真角 昭吾
1
Toshiro FUTAMI
1
1北里大学医学部整形外科学教室
pp.936-940
発行日 1975年10月25日
Published Date 1975/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905261
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レクリングハウゼン病は,多発性皮膚腫瘍皮膚色素斑,神経腫瘍および骨変化などを主訴とする先天性遺伝性疾患といわれている.すなわち,café au lait Spotsと呼ばれる全身性多発性皮膚色素斑,直径数mm〜数cmに及ぶ皮下小結節の形成,骨変化として側彎症による脊椎変化,下腿偽関節形成,その他先天性骨形成異常などきわめて多彩な臨床症状を呈する.整形外科を受診し,レクリングハウゼン病と診断される患者の主訴の多くは骨変化による症状であり,皮下腫瘍,腰痛,下肢痛を主訴とする者は,比較的稀である.
われわれは本症患者で頑固な右下肢痛を主訴として来院し,疼痛原因として後腹膜腔の巨大な腫瘍の存在を知り,それを手術的に摘出し疼痛の緩解を得た1例を経験したので報告する.
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