シンポジウム 関節軟骨の病態
関節軟骨の形態と変性
井上 一
1
Hajime INOUE
1
1岡山大学医学部整形外科学教室
pp.880-891
発行日 1975年10月25日
Published Date 1975/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905255
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関節軟骨は,機能的に非常に巧妙にできあがつており,特に関節運動に関与する機械的機能との関連が強い.それゆえ,関節軟骨の形態と変性を考える場合,その機能との関連において研究を進めることが重要と考えられる.
関節軟骨は,その機能上関節面における潤滑と荷重に対する緩衝の二つの大きな役割を果す.機能形態の上では,前者に対応するのが関節面の構造であり,後者に対応するのが実質の構造である.しかし,従来の形態学的研究は,こうした機能との関連において行われていなかつた.著者は,軟骨固有の機能形態について,関節面と実質に分け,立体的にマクロからミクロへと観察を試み,いささかの知見をえたので報告する.
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