臨床経験
脊髄損傷患者の慢性浮腫下肢に発生した血管肉腫の1例
三井 宜夫
1
,
福居 顕宏
1
,
佐野 貞彦
1
,
玉井 進
1
,
増原 建二
1
,
北村 旦
2
Yoshio MII
1
1奈良県立医科大学整形外科学教室
2奈良県立医科大学第一病理学教室
pp.863-867
発行日 1974年10月25日
Published Date 1974/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905064
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はじめに
慢性リンパ性浮腫に合併したリンパ管肉腫の症例はStewartとTreves1)が"lymphangiosarcoma in postmastectomy lymphedema"として最初に報告して以来,数多くの症例が追加され,Schiemer2)は90例以上の報告例があると記載している.一方,慢性リンパ性浮腫の四肢から発生した血管肉腫の症例は少なく,とくに国内における報告例は見あたらない.
最近われわれは長期間両下肢にリンパ性浮腫が存在した脊髄損傷患者の左麻痺肢に発生した血管肉腫の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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