Japanese
English
臨床経験
乳児に発生した脊髄損傷の1例
Spinal Cord Injury in Infant: A Case Report
坪田 聡
1,2
,
五十嵐 一郎
1
,
沼田 仁成
1
,
鹿野 尚英
1
Satoru Tsubota
1,2
1厚生連高岡病院整形外科
2現:金沢大学医学部整形外科教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Kouseiren Takaoka Hospital
キーワード:
脊髄損傷
,
spinal cord injury
,
乳児
,
infant
,
磁気共鳴画像
,
magnetic resonance imaging
Keyword:
脊髄損傷
,
spinal cord injury
,
乳児
,
infant
,
磁気共鳴画像
,
magnetic resonance imaging
pp.1151-1154
発行日 1992年10月25日
Published Date 1992/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408900959
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抄録:乳児に発生した,骨傷を伴わない外傷性脊髄損傷を経験した.症例は10ヵ月の女児で交通事故にて受傷し,対麻痺を主訴として当科受診.初診時,第4腰髄以下の知覚障害と完全弛緩性対麻痺があり,深部腱反射は消失していた.胸腰椎単純X線像では異常所見はなかったが,受傷後1週目のmagnetic resonance imaging(MRI)で第12胸椎/第1腰椎椎間板高位の脊髄に,T1強調画像で低信号強度,T2強調画像でも低信号強度で一部高信号強度の所見があり脊髄内の出血と浮腫と考えられた.受傷後7週目のMRIでは,T1,T2強調画像とも脊髄萎縮を認め,同部はT1強調画像で低信号強度,T2強調画像で高信号強度であり,空洞の形成過程と考えられた.本症のように骨傷を伴わない脊髄損傷に対して,MRIは損傷高位および範囲の検索や経時的変化の観察に大変有用である.
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