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エネルギー分散型X線分析計(EDX)による骨端成長軟骨の元素分析—走査電顕所見と対比して
高田 晃平
1
,
山本 吉藏
2
,
前山 巌
3
,
永谷 隆
4
,
渡部 忠雄
4
1鳥取大学医学部大学院
2鳥取大学手術部
3鳥取大学整形外科学教室
4日立製作所那珂工場
pp.742-748
発行日 1974年9月25日
Published Date 1974/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905045
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骨の内軟骨性骨化機序はきわめて興味ある問題で,我々も骨端成長軟骨および骨幹端について組織学的ならびに組織化学的検索7,14)をすすめるとともに,透過5)および走査電顕9)などの方法を用いて研究をつづけてきた.就中,骨端成長軟骨基質の石灰化は骨幹端における内軟骨性骨化と関連して重要な意味を有するものと考えられる.
最近,検出感度の非常にすぐれたエネルギー分散型X線分析計(EDX)が開発され,微小部分の元素分析が可能となつた.これは従来の波長分散型X線分析計(WDS)と比較して電子線による試料損傷も少なく,生物試料の元素分析には非常に有利な方法と考えられる.即ち,2次電子像を観察する場合とまつたく同一の条件で元素分析を行なうことが可能で,試料のコンタミネーションや破壊が少なく,2次電子像の任意の点にスポットをさだめ分析することができる.また多元素の同時分析も可能で,それに要する時間も数100秒できわめて短かい.
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