追悼
Güntz教授逝く
天児 民和
1,2
Tamikazu AMAKO
1,2
1九州大学
2九州労災病院
pp.1027-1028
発行日 1973年12月25日
Published Date 1973/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904924
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今年になつてすでに何人かの海外の優れた整形外科医の追悼文を書いてきた.今回はからずもFrankfurt大学の教授であつたEduard Güntzの死亡通知書を受けとつた.今年の6月28日に彼は亡くなつたのである.奥様からの手紙であるが,ご慰問の来訪はご遠慮願いたい.霊前に花を贈られるならばその代金を身障者センターに寄附してほしいということまで記入してあつた.
Güntz教授は36歳でポリオにかかり不自由な体に鞭打つて教授としての職責を全うしてきた特異な生活力を持つた人である.1903年Erfurtの近くで生れた.父は保健官であつた.元来彼の家系は医家であつて彼の曽祖父は精神病学者で,当時精神病患者の多くは鎖につながれていたのを解放して治療した最初の医師であつたことはGüntz教授ご自身から直接聞いたことがある.そこの高等学校を卒業して1922年Marburg大学に入った.その後ドイツの大学生がするようにWürzburg,Münchenの大学を遍歴し,1927年に医師試験に合格した.その後彼はDresdenの市立病院で臨床修練を行なつた.そして当時Dresden市立病院の病理部長であつたSchmorlの所で2年間病理解剖の勉強をした.その後一時内科の勉強もしたことがあつたが,1932年にはSchmorlの所のOberarztに迎えられた.
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