臨床経験
軟部血管性腫瘍について
福嶋 泰夫
1
,
古瀬 清夫
1
,
池本 和人
1
Yasuo FUKUSHIMA
1
1鳥取大学医学部整形外科学教室
pp.949-954
発行日 1973年11月25日
Published Date 1973/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904912
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緒言
軟部組織腫瘍に関する統計については,組織像の多様性によるための診断の困難性,報告者による診断基準の不一致,組織学的分類法の多様性などにより著しい相異がみられる.良性軟部組織腫瘍のなかでもつとも多いものの一つに血管性腫瘍があげられる.軟部組織腫瘍研究班における遠城寺らの統計によると,昭和48年の良性軟部腫瘍の全国登録は7,720例であり,そのうち血管性腫瘍は1,965例(25%)でもつとも多かつた.昭和29年1月から昭和47年12月までに教室を訪れた良性軟部腫瘍患者で組織学的に確認された症例は,ganglionを除けば72例であり,そのうち血管性腫瘍は10例(13.9%)であつた.それら教室の血管性腫瘍の症例について報告し,若干の考察を述べたい.なお組織学的分類法としてはWHO分類を用いた.
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