臨床経験
軟部腫瘍の血管造影に関して
山脇 慎也
1
,
姥山 勇二
1
,
光崎 明生
1
,
後藤 守
1
,
森谷 宏
2
,
松野 誠夫
3
,
石井 清一
3
,
薄井 正道
3
,
佐々木 鉄人
3
Shinya YAMAWAKI
1
1国立札幌病院整形外科
2国立札幌病院放射線科
3北海道大学医学部整形外科学教室
pp.1083-1093
発行日 1977年11月25日
Published Date 1977/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905618
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はじめに
軟部腫瘍では,骨腫瘍の場合に較べて病理組織学的診断と同様に臨床的にも診断の根拠となる情報に乏しく,ときには良性と悪性の判定すら困難である.われわれは血管造影(動脈撮影)が原発腫瘍の局在,形態,大きさ,周囲組織との関連を間接的に表現し,さらに腫瘍血管の形態によつて良性悪性の判定に有効な手段となることを示した1).
とかく軟部腫瘍では,その性状を明らかにすることなく安易に手術を行ないがちである.そのために,その後の治療に対して局所再発,遠隔転移その他の障害を生じて一貫した計画的な治療を逸しがちである.
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