論述
頸部椎間板症に対するわれわれの診療方針
平林 洌
1
,
佐々木 正
1
,
竹田 毅
1
,
金子 弥
1
Kiyoshi HIRABAYASHI
1
1慶応義塾大学医学部整形外科学教室
pp.202-215
発行日 1973年3月25日
Published Date 1973/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904811
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いとぐち
頸部椎間板は,変性によつてその運動機能に破綻を生じ,前後屈における回転の中心が前後に偏位したり,「ずれ」が過大になるいわゆる不安定性(instability)を招来する.この不安定性がまた椎間板変性に拍車をかけ,悪因果が循環することになる.
この時期にすでに線維輪の外層およびその周囲軟部組織を支配する脊椎—洞神経(N. Sinu-vertebralis)の刺激状態,すなわち項部痛や肩こりなどの愁訴が生ずるものと思われる.脊髄症状や神経根症状と並んでわれわれはこれを局所症状と呼んでいる.
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