論述
いわゆる椎間板症
鈴木 次郎
1
1千葉大学医学部整形外科
pp.23-32
発行日 1966年4月25日
Published Date 1966/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903717
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はしがき
著者が,いわゆる「椎間板ヘルニア」にたいし経腹膜的椎間板切除,椎体前方固定術を実施しはじめたのは1955年である.この手術法は,「椎間板ヘルニア」は椎間板の疾患と考えるべきで,したがって,その病的椎間板をできるだけ艾除することが治療として合理的であろうと考え,この理念にもとづいて,敢て実施されたものである.
以来,この手術法の実施症例を重ねるにしたがって,著者は,自分の理念に妥当性をより強く認めるに至り,いわゆる「椎間板ヘルニア」なるものを,椎間板障害(Disc lesion)あるいは,Disc Dérangementという概念で対処すべきであることを主張しきたった.その後,頸部椎間板ヘルニア,あるいは,頸椎骨軟骨症,または頸部脊椎症と称せられるものをすべて「頸部椎間板症」との名称で考えてしかるべきものと学会において提唱したのである.
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