臨床経験
経腹膜的前方直達手術により完治せしめえた直腸に難治性瘻孔を有する4歳児仙椎カリエスの1例
堀井 文千代
1
,
大塚 嘉則
1
,
井上 駿一
1
Fumichiyo HORII
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
pp.854-860
発行日 1972年10月25日
Published Date 1972/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904756
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昭和29年より現在までの教室における脊椎カリエス入院患者数は35名であり,内21名が手術施行例である.カリエス患者の全入院患者に対する比率は昭和30年以降減少をしめし平均0.72%であるが,最近やや増加の傾向がみられる(第1表).また入院患者の年齢別分布は40歳代にピークが存在している(第2表).罹患部位では腰椎がもつとも多く,次いで胸椎,頸椎,胸腰椎,腰仙椎の順であり,仙椎はもつとも少ない(第3表).教室で施行した手術を術式別にみると,21例中胸椎カリエスにて施行した後方固定術1例を除き他の20例はすべて病巣直達手術であり,その内の65%の13例に骨移植術が行われており,昭和37年以降は全例に骨移植術が行われている(第4表).
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