論述
腰部椎間板ヘルニアの特殊型と周辺疾患について
蓮江 光男
1
,
伊藤 良三
1
Mitsuo HASUE
1
,
Ryozo ITO
1
1福島県立医科大学整形外科学教室
pp.528-535
発行日 1972年7月25日
Published Date 1972/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904708
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腰部椎間板ヘルニアの診断治療の体系は諸先輩の努力によりほぼ確立されたといつてよいであろう.しかし,その臨床症状が腰痛,坐骨神経痛というきわめてありふれた愁訴であることが多いので,同様な症状をひき起こす他の疾患との鑑別が常に問題となる.
近年ややもすれば安易に腰部椎間板ヘルニアという診断を下すoverdiagnosisの傾向がみられるが,このような場合は別としても,明らかな椎間板ヘルニア様症状を呈しながら他の疾患であつたり,また逆に非典型的な経過を示す椎間板ヘルニア症例を見ることも決して稀ではない.このような場合には誤診を招かぬよう慎重な診断が要求されると共に,治療面でも臨機応変の処置が採られねばならない.
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