骨腫瘍カラーシリーズ—Tumors Conditions of Bone
65.Sarcoidosis/66.Ganglion
骨腫瘍委員会
pp.413-416
発行日 1972年6月25日
Published Date 1972/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904691
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症例73:45歳.女子.4カ月前より両手指の腫脹と疼痛を生じ,某医で関節リウマチと診断され,約1カ月間治療を受けた.健康診断で偶然胸部X線像の異常陰影を指摘され,当院呼吸器科を訪れた.肺紋理の増強,縦隔陰影の拡大がみられたが,肺癌と思われる所見はなく,手指の腫脹がみられたので当科受診をすすめられて受診した.外来受診時,左示・中小指に腫脹がみられ,一部は小腫瘤状を呈していた.右示指にも同様の所見が認められたが,運動障害はなく,手指の可動性は良好であった.その他の異常所見は認められなかった.検査成績ではCRP(-),ASLO100u.,RA(-)で,赤沈値の促進もみられなかった.手指のX線像で,小斑点状の骨吸収像が多発性に認められた.腫瘤部の試験切除で,sarcoidosisであることが確認された.ステロイドの投与により,肺紋理は減少し,手指の腫脹は減退したが,約1年後の手指のX線像では殆んど変化はみられなかった.(国立がんセンター)
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