ワンポイント解説
Tattoo-induced sarcoidosis
山本 俊幸
1
1福島県立医科大学皮膚科学講座
pp.1120-1121
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000003991
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Tattoo上には,肉芽腫反応,苔癬様反応,偽リンパ腫反応などさまざまな皮膚症状がみられる1).Köbner現象により,瘢痕(肥厚性瘢痕に限らない)上や周辺に乾癬や扁平苔癬が生じることもある.肉芽腫もその1つで,tattooに使用されるインクの中では,黒や赤に対して(サルコイド)肉芽腫が誘導されることが多い(図1,2).その際,病名をつける判断基準の1つに,皮膚以外の臓器症状があるか否かという視点で,肺などにも症状があればサルコイドーシスであり,皮膚だけであればサルコイド反応と考えられているように見受けられるが,後者はtattoo-induced cutaneous sarcoidosisではいけないのだろうか?
誘因となる外傷の代表であるtattooによって誘発されたことを強調するためにtattoo-induced sarcoidosisとか,薬剤によってサルコイド病変を生じた症例に対しdrug-induced sarcoidosis/sarcoid granuloma/sarcoid-like granulomaという呼び方をされることがある.薬剤と無関係な症例とはやや異なる点があるのと,(原因が不明な疾患において)誘発された原因を強調するための呼び名である.
(「Tattoo上にみられる種々の反応」より)
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