論述
軟骨芽細胞腫の電顕像とその考察
広畑 和志
1
,
森本 一男
1
Kazushi HIROHATA
1
1神戸大学医学部整形外科学教室
pp.428-436
発行日 1969年6月25日
Published Date 1969/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904084
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序論
良性軟骨芽細胞腫は非常に稀で,発生学的に興味深い骨腫瘍である.今世紀始め頃よりKolodry(1927),Ewing(1928),Codman(1931),Copeland(1942),らにより,その発生部位および組織像よりGiant cell tumor,Chondrosarcoma,Osteogenic sarcomaなどの一異型として注意が向けられてきたが,Jaffe & Lichtenstein(1942)は,この腫瘍の発生部位がepiphysisで,軟骨性の独立した疾患であり"benign chondroblastoma of bone"と名付けた.以後その腫瘍細胞をembryonal chondroblastと考える者はCopeland & Geschickter(1949),Laskowski(1951),Lichtenstein(1951),Kunkel(1956)らであるが,Valls(1951)は腫瘍組織の銀染色によりreticulohistocytic originを考えDenko(1954),Krowel(1955)らも軟骨原性腫瘍に疑問を持ち,Kunkel(1956)はchondromyxoid fibromaとの移行型を観察している.
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