論述
関節滑液膜の構造と機能—正常滑膜および関節リウマチにおける変化と役割
山本 真
1
Makoto YAMAMOTO
1
1北里大学医学部整形外科学
pp.980-991
発行日 1971年12月25日
Published Date 1971/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904621
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はじめに
関節構成物の1つである関節滑液膜(以下滑膜と略す)は光顕レベルの組織学的には簡単な組織のようにみえる.しかしこの単純な膜が関節の機能また疾患にとつて甚だ重要な役割を果していることは多くの研究によつて次第に明らかになつてきた.この滑膜に関する知識は,特に組織培養,電子顕微鏡,螢光抗体法,radioisotopeの利用などの技術と化学的dataを結びつけて近年飛躍的に大きなものとなつた.このめざましい進歩の段階において,私が九州大学整形外科で協同研究者とともに行なつた仕事は本当に微々たる役を果しているにすぎない.そこで私達の仕事を加えながら滑膜の構造と機能という観点から最近の多くの研究をとりまとめてみることにした.日頃疾患の治療にとりくんでいられる方々にも,関節という器官の本質的理解,疾患の解明に多少とも役立てば幸甚である.
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