検査法
頸部空気脊髄腔造影法
小田 清彦
1
,
服部 奨
1
Kiyohiko ODA
1
,
Susumu HATTORI
1
1山口大学医学部整形外科学教室
pp.863-870
発行日 1971年10月25日
Published Date 1971/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904605
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1918年Dandy1)が気脳写中に上位頸髄腔の像を観察して以来,1921年Wideröeが空気脊髄腔造影法により腫瘍を発見し,しかもそれを手術的に証明し,さらに空気が腫瘍による狭窄部を通過する際疼痛が起こることを記載し,1934年Coggeshall and von Storchは脊髄腔馬尾神経部の像を観察し,1937年Scott and Youngは腰部椎間板ヘルニア像を発表し,1941年,本邦においても近藤名誉教授10)が脊髄腔馬尾神経部病変診断に利用したことを報告し,1942年Munro and Elkins3)は空気脊髄腔造影法に脊髄液圧を考慮した二針法を利用するなど,古くから知られ,いろいろと改良されてきたが,コントラストの不鮮明さによる診断的価値の疑問や,技術面に問題があり,さらに強い頭痛などのために従来から広く利用され一般化された検査方法ではないが,最近のように各種脊椎,脊髄性疾患を対象として脊髄腔造影法施行例数,手術例数が飛躍的に増加し,いろいろの陽性剤が使用される現在において,その後期障害としての腰痛の報告も多く,特に油性造影剤によるOleomの形成などを見る例も報告され,造影剤使用に関してはその濫用を警告する人が多い.
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