臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
脊椎・脊髄疾患
脊髄腔造影を併用したCT
pp.2108-2109
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217457
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筆者らの施設では脊髄腔造影に水溶性非イオン性造影剤であるMetrizamideを主として使用している,Metrizamide 3.75gを溶解液8.9mlにて溶解,170mgI/mlの濃度の溶液約10ccを髄注しているが,CTによるクモ膜下腔の描出にはさらに低い濃度の溶液を用いても十分な造影能を得ることができる.しかし脊髄造影を同時に行う場合には,より高い濃度(200mgI/ml〜270mgI/ml程度)の溶液を用いる必要がある.この際,あまり高濃度の造影剤はCTではartifactの原因となることがあるので,造影剤が拡散によって薄まるまで,十分時間をおいてCTを行ったほうが良い像を得ることができる.造影剤の髄注による副作用として重篤なものは痙攣であるが,①なるべく低濃度の溶液を用いる,②多量の造影剤が急速に頭蓋内に流入するを避ける,③てんかんの既往に留意する,などで痙攣の発症をほとんど防止することができる.しかし,軽度の副作用としての頭痛,悪心などはかなり高頻度に出現するようである.その他,ヨード禁忌の患者に投与してはならないことは言うまでもない.
脊髄腔造影を併用してCTを行うと,造影されたクモ膜下腔の中に円形の陰影欠損として脊髄が描出されてくるが,頸部と胸腰椎移行部ではやや太く見えることが多い(頸膨大,腰膨大)
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