臨床経験
骨転移乳癌に対する蛋白同化ホルモン大量投与の経験
諸富 武文
1
,
柳川 哲二
1
Takefumi MOROTOMI
1
,
Tetsuji YANAGAWA
1
1京都府立医科大学整形外科学教室
pp.545-549
発行日 1971年6月25日
Published Date 1971/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904563
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乳癌は前立腺癌,甲状腺癌などとともにもつとも骨に転移しやすい腫瘍の1つであり,しかも,骨転移をおこしたときは多くはosteolyticな性格をもつためにしばしば病的骨折をおこし,患者は起立,歩行が不能となり絶対的な安静臥床を余儀なくさせられるので死期を早めることが多い.そこでわれわれは骨転移をきたした乳癌の患者に対して大量の蛋白同化ホルモンを投与した所,予想外の好成績を得て,今まで疼痛のために強度の跛行をきたして自力歩行が困難であつた患者が独歩可能となり,跛行も消失し,X線的にも高度の骨修復像を認めるようになつたので経過の概要を報告する.
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