Japanese
English
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遊走腎症の新らしい治療—蛋白同化ホルモンオルガボリンによる治験
CLINICAL VALUE OF ORGABOLIN IN THE TREATMENT OF MOVABLE KIDNEY
森脇 宏
1
,
高尾 良昭
1
Hiroshi MORIWAKI
1
,
Yoshiaki TAKAO
1
1神戸医科大学泌尿器科学教室
1Department of Urology, Kobe Medical College
pp.1085-1088
発行日 1962年12月1日
Published Date 1962/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203405
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I.はじめに
腎の異常可動性による疾病状態がPedemonti-umによつて初めて記載されてから,既に600年以上の長い歴史が流れた。この間本症の観血的療法は1881年Hahnの記載に始まり,現在では冠名術式を挙げただけでも40数例にのぼり,それぞれの変法,改良法等を加えれば,実に多数の技法が考究され,長足の発達を遂げた。しかし乍ら一方保存的療法に関しては旧態依然たる安静,栄養療法,腹帯,提腎帯の装用等が挙げられるに過ぎず,今一つ積極的手段に乏しいうらみがあつた。この折に我々は強力な蛋白同化作用を有するステロイド剤オルガボリンを本症患者に投与してみるべき効果を得たのでその大要につき報告する。
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