巻頭言
第44回日本整形外科学会総会の開催にあたって
藤本 憲司
1,2
1第44回日本整形外科学会
2信州大学
pp.5-6
発行日 1971年1月25日
Published Date 1971/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904495
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ここ信州松本の地にあつては,今日,昭和46年元旦は,昨日の大雪とはうつて変つて,初日の出というにいかにもふさわしい朝日の光とともにあけた.白銀に輝く北アルプス連峰を眺めていると,日頃の俗念,俗塵が洗われる思いがして,いかにも気持がよい.しかし人間世界については,今年も,今日のようなさわやかな気分でいることは許されないであろう.学会についても同様なことがいえるのではなかろうか.
近年,学園紛争から引き続いて,各医学会とも大なり小なり揺れ動いた.わが整形外科学会も,一昨年以来,専門医制度の論議に端を発して,学会のあり方,学術総会の運営法や評議員選出方法などに関して,主として若手会員から種々批判がなされた.学会という団体にも,歴史が古くなれば,一つの型ができあがるもので,その中には好ましくない慣習が生じたことも否定できない.学会運営の衝にあたるものは,建設的意見は謙虚に聞き,改革すべき点は卒直に改革して,学術の進歩発達に寄与するという学会本来の目的達成のために常に努力しなければならないと思う.
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