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第84回日本整形外科学会学術総会を平成23年(2011年)5月12日(木)~15日(日),パシフィコ横浜で開催します.ご存知のように,横浜は150年前の幕末期に慶應義塾の創始者である福澤諭吉を含む若人たちを乗せた「咸臨丸」が米国サンフランシスコに向けて出港した地(品川)に近く,幕末から明治,そして現在に至るまで一貫して海外に開かれた地として,その役割を担ってきました.近代日本のモデル地区として発展してきた横浜は,グローバル化が進む中,本学術総会を開催するに相応しい場所と考えています.明治維新の偉人たちが動乱期,変革期の中で日本の進むべき道,方向性を忌憚なく議論したように,本学術総会で整形外科の進むべき方向が示されればと期待しています.
さて,21世紀に入り,わが国は政治・経済とともに医学・医療も大きな曲がり角,変革期にあります.地域医療,小児・産科・救急医療,高齢者医療,病院経営,社医療保険制度などの諸問題,そして医療訴訟の増加,医学研究費削減…等々,日本の医学・医療を取り巻く環境が激変する中,「専門医制度」の構築や,より安全・安心な医療の提供が国民から強く求められています.また,日本の科学論文数・引用数が諸外国に比べて伸び悩んでいる現状があり,医学研究も医療同様に厳しい状況下に置かれています.今こそ,医学・医療,そして整形外科の原点をもう一度見つめ直し,整形外科の役割,進むべき方向,将来展望を討論し,再確認する時期にあると考えています.そこで,今回の学術総会のテーマを「整形外科―原点と挑戦」としました.運動器疾患を扱う整形外科の原点とそこからの挑戦に関連した演題を広く募集し,次世代に繋がる学術集会になるよう企画しました.トピックスとして「translational research」「再生医療」「骨折の最新治療」「スポーツ整形外科」「整形外科の保存治療」「最小侵襲手術」「関節再建術」「高齢者の整形外科」を取り上げています.
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