巻頭言
第45回日本整形外科学会総会の開催に当って
高瀬 武平
1
1金沢大学
pp.5-6
発行日 1972年1月25日
Published Date 1972/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904634
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昨年4月第44回日本整形外科学会総会で会長の指命をうけて,次回第45回総会は金沢市で開催することが承認された.学術総会は然るべき専門家に任して行ない,会長が全国どの地から選ばれても,運営に支障がないようになるべしという,前会長藤本憲司教授の考えには,全面的に賛成であり,そのように努力すべきであるが,残念ながら現状は未だその情勢に至つていない.そこで敢えて会長の勤務地を提案した.整形外科の歴史ははなはだ古いが,全国に普及したのは漸く戦後数年を経てからであり,今日まで地方都市でも開催された経緯を振り返つてみれば,地方における啓蒙の役割という一面もあつたのではなかろうかと感じている次第である。
飜つて,わが整形外科学会も,近年の学園紛争に引き続いた各医学会の動揺を免がれることはできなく,一昨々年来,専門医制度に端を発して,学会のあり方,学術総会の運営方法,評議員選出方法などに関して論議が集中せられたが,会員の熱意と良識とによって,日本整形外科学会定款と評議員選出施行細則ならびに内規が決定せられ,昨年2月第1回の選挙による評議員が決定された.その結果昨年4月からは全会員承認による定款ならびに細則にしたがつて会務を運営してゆけることになつたことは誠に御同慶の至りであり,会長としてははなはだ幸いであつた.学会は今後すべてこのルールにしたがつて運営されることとなり,私も忠実に定款を守つて任期を全うしたいと念願している.細部にわたつていくつかの間題に出会うこともあろうが,これらはその都度話合いによつて解決されねばならない.
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