臨床経験
脊椎管狭窄を伴つた偽仮性副甲状腺機能低下症の1例
奥江 章
1
,
甲斐 佐
2
,
角田 信昭
2
Akira OKUE
1
1九州大学医学部整形外科学教室
2飯塚病院整形外科
pp.710-716
発行日 1970年9月25日
Published Date 1970/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904453
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1942年Albrightら1)は特発性副甲状腺機能低下症(Idiopathic Hypoparathyroidism 以下I. H.と省略)に類似した臨床像(低Ca血症,高P血症,テタニー,白内障など)を呈するにもかからず,I. H.のようには副甲状腺ホルモンに反応しない疾患で,I. H.とは明らかに異なつた身体的特徴(侏儒,著しい円形顔貌,中手骨短縮など)をもつ疾患を発表,これを仮性副甲状腺機能低下症(Pseudohypoparathyroidism 以下P. H.)と名づけた.その後1952年2)になりP. H.に著しく類似した身体的特徴を示す症例で生化学的には異常なく,副甲状腺ホルモンに正常に反応する疾患を報じ,この症候群を偽仮性副甲状腺機能低下症(Pseudo-pseudohypoparathyroidism 以下P. P. H.)と呼んだ.以後今日までに本邦の3例を含む110数例が世界中より報告されている.
われわれも最近偶然に腰痛を訴えて来院した患者の中にこの症候群を見出したので,これに加えた諸検索の結果を報告する.
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