特集 内科医に求められる他科の知識―専門家が伝えるDo/Don’t
第8章 整形外科
整形外科領域
-この5年の進歩
岩本 幸英
1
1労働者健康安全機構九州労災病院
pp.1954-1956
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika124_1954
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慢性疼痛の治療の進歩
従来,慢性疼痛の薬物療法においては,非ステロイド系抗炎症薬が主体であったが,近年,痛みのメカニズム解明に基づく治療薬の研究が進み,acetaminophen,pregabalin,mirogabalin,duloxetine,オピオイドなど,疼痛治療薬の選択肢が広がった.acetaminophen以外は,嘔気・めまいなど中枢神経系の副作用が出現しやすいので,低用量から開始し,疼痛緩和が得られれば漸減する必要がある.また,高齢者の場合は高血圧症や糖尿病などの薬剤も服用していることが多く,薬物相互作用やポリファーマシーに注意しなければならない.薬物療法のみでの疼痛コントロールが困難な症例に対しては,認知行動療法など,他科・多職種と連携した治療が行われるようになった.
© Nankodo Co., Ltd., 2019