臨床経験
脛骨後方に腓骨の転位固定された足関節脱臼骨折(徒手整復例)
浜野 恭之
1
Yasuyuki HAMANO
1
1国立東京第二病院整形外科
pp.541-545
発行日 1970年7月25日
Published Date 1970/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904428
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日常,足関節周囲の骨折治療の機会は多く,その際,常に関節の適合性や荷重軸などについて解剖学的に正しく整復する考慮が払われねばならない.多くの例では非観血的治療によつて満足すべき結果が得られるが,稀には骨片や軟部組織の介入,小骨片の附着の不適合などによつて徒手整復や整復後の保持が不成功に終る場合,観血的治療が必要となる.
1947年Bosworthは徒手整復の不成功例の5例について"経骨後方に腓骨の転位固定された足関節脱臼骨折"を報告して以来,同様の報告は散見されるが,その中1例を除いて徒手整復は成功せず,観血的に整復されている.私は最近,同様の脱臼骨折で徒手整復に成功した例および,脛骨下端骨折で腓骨が転位固定され,徒手整復に成功した例を経験したので報告し,いささかの知見を述べる.
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