臨床経験
腰椎にみられるphantom nucleusについて
荒井 三千雄
1
,
荻野 嘉見
1
Michio ARAI
1
1岩手医科大学整形外科学教室
pp.306-312
発行日 1970年4月25日
Published Date 1970/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904389
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近年,椎間板に関する研究が盛んとなり,とくに椎間板造影などから得られる知見はその病態解明に資するところが大きい.しかし椎間板造影法の診断的価値に疑問を表明する人5)もあり,また椎間板の変性が加齢的現象として避け得ぬものであつても,この種の検査が変性を助長する可能性は否定できない.椎間板変性の有無は骨棘形成,骨硬化,椎間の狭小等の二次的変化からある程度推察できる場合が多く,また,Wilson12),Gershon-Cohen4)らのいうphantom nucleusもその臨床的な把握に役立つ所見の1つであると思う.ここに経験例を示し,出現機構などについて考察を行なつてみたい.
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