論述
乳幼児先天股脱の造影像(第1部)
山田 勝久
1,2
,
小川 英一
3
,
今村 清彦
3
,
吉田 元久
4
,
佐藤 功
3
,
内田 雅夫
3
,
土屋 弘吉
5
Katsuhisa YAMADA
1,2
1横浜南共済病院整形外科
2横浜市立大学
3横浜市立大学整形外科
4神奈川県立ゆうかり園
5横浜市大整形外科
pp.256-267
発行日 1970年4月25日
Published Date 1970/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904384
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はじめに
先天股脱に対する治療法は最近約半世紀ほどの間にLorenzギプスから,リーメンビューゲル,von-Rosen Splintによる治療に至るまでめまぐるしく変遷して来た.これら治療法の変遷は,実は患児の年齢が若くなつてきたこととそれに伴つて亜脱臼,Dysplasie,Preluxation,脱臼準備状態など種々な名称でよばれる軽度の異常股関節が対象になつてきたためであろう.高度なものより軽度なもの,新生児より成人までと多彩な組合せで異常股関節が発見される現在では,すべての患児に同じような治療を行なうわけにはいかない.しかも先天股脱の治療にあたつては,同程度,同年齢の異常股関節でも各関節は独自性をもつているため画一的な治療を避け,それぞれの関節の状態を充分に把握し,個別にもつとも適応した治療を行なわねばならない.最近のように患児が乳児期に発見されることが多くなつてくると,診断,治療の両面での股関節の検討には股関節造影の知識は欠かせないものになつてきた.
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