視座
先天股脱早期治療の発展
伊藤 鉄夫
1
1京都大学医学部整形外科学教室
pp.919
発行日 1969年12月25日
Published Date 1969/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904160
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先天股脱の早期治療という常識的なことが一般に普及してきたのはつい最近のことである.この治療法の発展の歴史を辿ることはわれわれにいろいろな示唆を与える.新生児先天股脱にsnapping or clicking phenomenonがみられることはすでに60年も前に知られていた(Froelich 1911, Le Damany 1912).Puttiはすでに1927年に早期治療の優秀性についてイタリー語の論文を発表している.Ortolaniも早くより早期治療の研究を行ない,1937年にその成績を発表した.1948年にも論文を発表している.しかし,当時はLorenz法が世界を風靡しており,また英国のBarlowも述べているように,Ortolaniの論文はイタリーのあまり知られていない小児科雑誌(Padiatria, 45:129, 1937)に発表されたので整形外科医の注目を引かなかつた.彼の研究が注目されるようになつたのは1951年に発表された独文で書かれた小論文によると思われる(Frühdiagnose und Frühbehandlung der angeborenen Hüftgelenksverrenkung.Kinderärztliche Praxis, 19:404 ,1951).
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