論述
胸椎体侵襲の胸膜外経路法
大谷 清
1
Kiyoshi OTANI
1
1国立村山療養所整形外科
pp.505-512
発行日 1969年7月25日
Published Date 1969/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904096
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いとぐち
腫瘍,炎症,椎間板症,脱臼骨折など胸椎の疾患も少なくなく,われわれ整形外科医が胸椎椎体に侵襲を加える機会も稀ではない.
慶大整形外科では胸椎カリエス,腫瘍などに対する侵襲法として,開胸および胸膜外経路の2つの進路を採つてき,池田教授がすでに第39回日本整形外科学会および雑誌などにその詳細を発表している.著者もその方法にならい27例の胸椎カリエス,43例の胸腰移行部カリエスの椎体侵襲の経験を持つている.著者の経験は胸椎および胸腰移行部のカリエスに対してであり,開胸進入と胸膜外進入を行なつた経験から,後者には手術的操作に多少の難はあるが,術中および術後経過が一般的に良好であり,かつ患者に対する苦痛負担が少なく,著者は最近,胸膜外進入を原則としている.
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