カンファレンス
骨腫瘍—これはなんでしよう(20)
前山 巌
1
,
骨腫瘍症例検討会
1国立がんセンター整形外科
pp.321-327
発行日 1969年4月25日
Published Date 1969/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904069
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A:患者は53歳男,菓子の卸商,リアカーをモーターバイクで引いて回る,そういう職業です.なお母親が子宮癌で亡くなつているということです.
1968年6月18日,右足関節部の腫脹と疼痛を主訴として国立がんセンターを受診,精査と治療のため7月に入院しました.入院時の局所所見(第1図)では,右足関節部・腓骨外顆部中心に直径8cmほどの半球状の著明な腫瘍形成があり,腫瘍の上半部は嚢腫様の弾力性を有していましたが,下半部は実質性でした.嚢腫様の部分は暗紫色を呈し,血腫を形成しているような感じでした.脛骨側にもびまん性に軽い腫脹があり,足関節部背側全域に熱感と激しい圧痛を認めました.
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