臨床経験
Volkmann拘縮の1治験例
中野 昇
1
Noboru NAKANO
1
1中野整形外科
pp.318-320
発行日 1969年4月25日
Published Date 1969/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904068
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まえがき
肘関節,上腕骨さらに前腕骨の骨折の合併症として血管損傷により前腕に貧血的拘縮,すなわち,Volkmann拘縮をおこすことがある.これは主に上腕動脈から尺骨,橈骨動脈におこる血管痙攣により前腕屈曲筋にinfaractionをおこす結果であり,それが進行すると強度の拘縮をおこすことになる.しかし,この状態は必ずしも骨折のみに合併するものでなく,なんらかの原因で長期間の血行障害がおこつても同様に拘縮をおこす.
私は最近,睡眠薬遊びの結果Volkmann拘縮をきたした1症例を経験し観血的療法により比較的良好な結果を得たので報告する.
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