特集 脊椎外科(第1回脊椎外科研究会より)
腰部椎間板ヘルニアとして治療された硬膜外静脈瘤の12症例の治験例
中野 昇
1
,
和田 仁
1
,
冨田 達也
1
Noboru NAKANO
1
1中野整形外科
pp.947-949
発行日 1974年11月25日
Published Date 1974/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908524
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腰痛や下肢痛といえば,すぐ腰部椎間板ヘルニアとして治療されることが多いようであるが,よく注意して診察すると,同じ腰痛・下肢痛でも必ずしもその程度や性質が同じでないことがわかる.
長い間,腰部椎間板ヘルニアといわれ治療を受けていたが,その効果がなく当院を受診した患者に対して,ミエロ検査を行なつたところ,椎間板ヘルニアの像よりは脊髄腫瘍を疑わせる像を呈する症例のあることを経験する.しかし,手術では脊髄腫瘍は発見できずに,硬膜上の脂肪組織の中の静脈の拡張だけが認められ,それを切除することにより症状が消失することを知つたが,現在までに12例経験しており,これらについて2〜3の症例について述べるが時間の都合他の機会でその詳細な報告したいと思う.
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