臨床経験
Osteo-onycho dysplasia
岩倉 博光
1
,
加倉井 周一
1
,
黒川 高秀
1
,
二瓶 隆一
2
,
両角 森雄
2
Hiromitsu IWAKURA
1
1東京大学医学部整形外科学教室
2厚生中央病院整形外科
pp.1081-1087
発行日 1968年12月25日
Published Date 1968/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904018
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Osteo-onycho dysplasiaは1951年Roeckerathにより,nail dystrophy,patellar dysplasia,elbow dysplasia,pelvic dysplasiaを4主徴とする症候群として,これが家族的に発生した6症例を報告し,ectomesodermal dysplasiaに含まれる明瞭な独立疾患として確立されるまでに,歴史的には1820年Chatelainの報告以来,Little(1897),Wrede(1909),Turner(1933),Lester(1936),Fong(1940)らにより,次第に不完全な姿から,疾患の全貌が明らかにされてきたものである.
これらを含めて,諸外国の報告のうち,本疾患と思われるものは,すでに40余の文献に単独発生あるいは家族的発生を見る.わが国では,1942年木曽により,家族性に発生した膝蓋骨欠損と,両肘関節の拘縮を有し,さらに両母指の爪の不完全欠損を合併している症例の報告があり,おそらく本疾患であつたと思われる.我々は,岩倉が1962年第292回整形外科集談会東京地方会において,本邦第2例として報告した症例を含め,現在まで8例のosteo-onycho dysplasiaを経験したのでここに報告する.
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