境界領域
小児の悪性腫瘍
田口 信行
1
Nobuyuki TAGUCHI
1
1国立小児病院血液科
pp.807-814
発行日 1968年9月25日
Published Date 1968/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903976
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はしがき
近年,小児の感染症や下痢症などによる死亡が著しく減少し,悪性腫瘍による死亡が死因の上位を占めるにいたつた.昭和38年の死因統計(第1表)によると,年齢階級別では5〜9歳,10〜14歳および15〜19歳の3階級で,悪性腫瘍による死亡は病死の首位を占めている1).
このように,大病院においては白血病などの悪性腫瘍患者を取扱う機会が多く,これらの治療法に習熟することは小児科医にとつて欠かせない条件になつてきたといつても過言ではない.国立小児病院において昭和40年10月の開院以来,昭和43年5月末日までに取扱つた悪性腫瘍患者数は第2表に示すごとく89例に達する.患者数の多いのは急性白血病,神経芽細胞腫,ウィルムス腫瘍,小児原発性肝癌などである.
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