臨床経験
慢性関節リウマチと変形性関節症との比較検討—東京都下桧原村における検診結果
星野 孝
1
,
梅原 忠雄
1
,
太田 洋
1
,
鶴留 寿人
1
1日本大学整形外科
pp.848-851
発行日 1966年11月25日
Published Date 1966/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903834
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疾病の研究は一方ではcell levelよりmolecule levelへと進み,他方ではgroup levelよりPopulation levelへと進んで来ている1).即ち患者の体内におきた変化過程を調べる病理学はcell levelからmolecule levelにまで及んでおり,その分析はますます緻密となつてきている.しかし,かかる病変が生体におきた原因にさかのぼつて考えるには疫学的研究が必要で,そのためにはgroup levelよりPopulation levelへと観察単位を拡大することによりはじめて精密な結果が得られる2).
私どもは慢性関節リウマチと変形性関節症の病態の差を比較するために,個体を中心とした臨床観察からPopulation levelへと観察をひろげたいと考え,その第一歩として東京都下の1山村において両疾患を主たる対象として検診を行なつてみた.諸種の制約のため不満足な結果しか得られなかつたが,ここに結果の大要につき報告する.
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