Japanese
English
調査報告
腰下肢痛と腰痛関連機能,総合的健康感,および社会参加の関連―腰痛関連モデルを用いた疫学的検討
Correlation between Low Back Pain, Functional Status, General Health Perception, and Social Participation
竹谷内 克彰
1
,
菊地 臣一
1
,
紺野 慎一
1
,
大谷 晃司
2
,
高橋 一朗
1
,
鈴鴨 よしみ
3
Yoshiaki Takeyachi
1
1福島県立医科大学医学部整形外科
2県立南会津病院整形外科
3パブリックヘルスリサーチセンター
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukushima Medical University, School of Medicine
キーワード:
low back pain
,
腰痛
,
low back pain-related model
,
腰痛関連モデル
,
an epidemiologic study
,
疫学的検討
Keyword:
low back pain
,
腰痛
,
low back pain-related model
,
腰痛関連モデル
,
an epidemiologic study
,
疫学的検討
pp.1409-1417
発行日 2002年12月25日
Published Date 2002/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903694
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抄録:腰下肢痛の治療の評価や計画に様々なアウトカム指標が用いられている.われわれは,アウトカム指標間の関係を表す腰痛関連モデルを設定し,指標の相互の関連性を明らかにするために疫学的検討を行った.総合検診を受診した816名(男性369名,女性447名,最多年代層70歳代)を対象とした.問診により,腰下肢痛の程度,機能状態,総合的健康感,社会参加,主観的幸福度,および患者の満足度について調査した.腰痛関連モデルに基づいてパス解析を行い,指標の関係を検討した.その結果,指標の相互関係は,腰痛関連モデルのパスに則していることが明らかになった.すなわち,腰痛関連モデルは,腰下肢痛のアウトカム指標間の体系的な関連を示唆するモデルであるといえる.また,総合的健康感は,疼痛の程度よりもむしろ日常の生活の機能状態と強い関連が認められた.すなわち,腰痛患者の治療にあたっては,単に痛みの軽減だけでなく,患者の生活上の障害という視点を持った医療の構築も重要である.
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