Japanese
English
論述
キアリ奇形に伴う脊髄空洞症の手術成績―特に疼痛の改善と空洞の局在に着目して
Retrospective Study of Surgical Outcome for Syringomyelia Associated with Arnotd-Chiari Malformation : Clinical Significance of Changes of the Size and Localization of Syringomyelia on Patient's Pain Relief
中村 雅也
1
,
千葉 一裕
1
,
田村 睦弘
1
,
西澤 隆
1
,
丸岩 博文
1
,
松本 守雄
1
,
戸山 芳昭
1
Masaya Nakamura
1
1慶應義塾大学医学部整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, School of Medicine, Keio University
キーワード:
syringomyelia
,
脊髄空洞症
,
pain
,
疼痛
,
surgical outcome
,
手術成績
Keyword:
syringomyelia
,
脊髄空洞症
,
pain
,
疼痛
,
surgical outcome
,
手術成績
pp.911-916
発行日 2002年8月25日
Published Date 2002/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903606
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抄録:多彩な症状を呈する脊髄空洞症において疼痛は主徴候の1つであるが,脊髄に起因する疼痛の発生メカニズムはいまだ不明な点が多いため,治療効果は一定せず術後改善の予測も困難である.今回われわれは疼痛発生機序の解明に資する知見を得るため,脊髄空洞症の疼痛の改善と術前後のMRI所見を比較検討した.空洞はその局在により中心型,偏在型,モザイク型,膨大型の4型に分類した.その結果,空洞が術前MRI横断像で疼痛発生部位と一致する髄節レベルの後外側に偏在する場合は,術後も後外側部に残存する頻度が高く,術後疼痛の改善は不良であった.また,術前に最も高頻度にみられた膨大型は,中心型に移行するか,空洞が消失した場合に疼痛の改善は良好であったが,偏在型に移行した場合には疼痛の改善は不良であった.キアリ奇形に伴う脊髄空洞症による疼痛の発生および術後改善には,脊髄後角部神経細胞の関与が示唆された.
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