Japanese
English
臨床経験
キアリ奇形を伴う脊髄円錐部空洞症の1例
Syringomyeria with Chiari Malformation of the Conus Medullaris: A Report of a Case
鈴木 禎寿
1,2
,
鎌田 修博
1
,
松本 隆志
1
,
丸岩 博文
1
,
加藤 満子
1
,
牧田 聡夫
1
,
山中 芳
1
Yoshihisa Suzuki
1,2
1静岡赤十字病院整形外科
2現:小田原市立病院整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Sizuoka Red Cross Hospital
キーワード:
脊髄空洞症
,
syringomyelia
,
脊髄円錐部
,
conus medullaris
,
脊髄モニタリング
,
spinal cord monitoring
,
マイクロサージャリー
,
microsurgery
Keyword:
脊髄空洞症
,
syringomyelia
,
脊髄円錐部
,
conus medullaris
,
脊髄モニタリング
,
spinal cord monitoring
,
マイクロサージャリー
,
microsurgery
pp.1025-1028
発行日 1994年9月25日
Published Date 1994/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901449
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:キアリ奇形を伴う脊髄円錐部空洞症の1例を経験した.本例は下腿のしびれと腰背部緊満感を主訴としたが,筋力低下や知覚障害などの神経症状は認めなかった.外来でのMRIでTh10~Th12高位の空洞とキアリ奇形1型を認めた.経過観察中,下肢反射の亢進と体幹の不撓性が増強し,画像上も空洞の拡大を認めたため,手術に踏み切った.術中脊髄モニタリング下に顕微鏡下の愛護的な操作によりS-S shuntを施行した.術後体幹の不撓性は軽快し,下肢の反射も正常化した.術中操作による新たな神経脱落症状もなく良好に経過している.MRIの普及により症状の軽度な脊髄空洞症を発見する機会は増えると思われる.われわれはそのような例においても,症状の進行がみられれば術中脊髄モニタリングと顕微鏡下の操作を併用することにより安全な手術操作が行えるため,積極的に手術を行うべきと考えている.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.