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臨床経験
脳室腹腔交通術により脊髄内の空洞の縮小が認められたChiari奇形I型合併の脊髄空洞症の1例
One Case of a Syringomyelia Associated with Chiari I Malformation in which the Decrease in the Size of the Syrinx was Shown after Ventriculoperitoneal Shunt
井須 豊彦
1
,
田中 徳彦
1
,
小林 延光
1
,
斉藤 久壽
1
Toyohito Isu
1
1釧路労災病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Kushiro Rousai Hospital
キーワード:
Chiari奇形I型
,
Chiari I malformation
,
脊髄空洞症
,
syringomyelia
,
脳室腹腔交通術
,
V-P shunt
Keyword:
Chiari奇形I型
,
Chiari I malformation
,
脊髄空洞症
,
syringomyelia
,
脳室腹腔交通術
,
V-P shunt
pp.771-775
発行日 1995年6月25日
Published Date 1995/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901666
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抄録:脳室腹腔交通術により空洞の縮小が認められたChiari奇形I型合併の脊髄空洞症の1症例を報告した.症例は20歳,女性であり,頭痛を主訴に来院した.神経学的には左側C5~Th6レベルにて温痛覚の低下(70%)が認められた.検査では,脳室系の著明な拡大,Chiari奇形1型,脊髄空洞症(C3~Th2レベル)と診断された.手術は脳室腹腔交通術が施行された.術後,頭痛は消失し,MRI上,小脳扁桃の頭側への挙上,空洞の消失が認められた.
脳室腹腔交通術における空洞縮小メカニズムは,通常,シャント手術により脳室内圧の低下が起こり,obex部を介する中心管への脈圧の減弱が関与していると考えられているが,本症例では,以下のごとく考えられた.つまり,シャント手術にて,頭蓋内圧が減少することにより,脊椎管内へ下垂した小脳扁桃が挙上しcisterna magnaが形成され,それにより,大後頭孔部の髄液流通障害が改善したことが空洞縮小のメカニズムと考えられた.
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