Japanese
English
論述
肩腱板完全断裂に対する鏡視下肩峰下除圧術―短期治療成績
Arthroscopic Subacromial Decompression for Full-thickness Rotator Cuff Tear : Short Term Follow-up Study
宍戸 裕章
1
,
菊地 臣一
1
,
紺野 慎一
1
Hiroaki Shishido
1
1福島県立医科大学整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukushima Medical University School of Medicine
キーワード:
full-thickness rotator cuff tear
,
腱板完全断裂
,
arthroscopic subacromial decompression
,
鏡視下肩峰下除圧術
Keyword:
full-thickness rotator cuff tear
,
腱板完全断裂
,
arthroscopic subacromial decompression
,
鏡視下肩峰下除圧術
pp.907-910
発行日 2002年8月25日
Published Date 2002/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903605
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:われわれは,痛みによるADL障害を主訴とし,腱板機能が温存されており挙上能力が保たれている腱板完全断裂例に対し鏡視下肩峰下除圧術(ASD)を行ってきた.本研究の目的は,腱板完全断裂例に対するASDの2年以上経過例についての治療成績を検討することである.ASD術後2年以上経過した腱板完全断裂21例21肩を対象とした.追跡調査率は91%であった.治療成績は,日整会肩関節疾患治療成績判定基準,運動時痛と夜間痛のvisual analog pain scale(VAS),および患者の手術に対する満足度を用い,術後2年と最終経過観察時に評価した.大断裂群はJOAスコアの機能項目での評価点が,小・中断裂群と比べて有意に低かった.除痛に関しては,腱板断裂の大きさとは関係なく術後のVASは有意に改善し,71%の症例が手術に満足していた.ASDは,疼痛が主訴で腱板機能の回復を必ずしも必要としない腱板断裂の症例に対しては,考慮されてよい治療手段と考えられる.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.