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シンポジウム 縮小手術への挑戦―縮小手術はどこまで可能か
骨軟部肉腫の安全な切除縁と術前照射による切除縁の縮小について
Safety Margin of Bone and Soft Tissue Sarcoma and Reduction of Surgical Margin with Preoperative Low Dose Radiotherapy
櫛田 和義
1
,
村山 均
1
,
山下 浩介
2
,
亀田 陽一
3
,
密田 亜希
3
,
亀田 典章
4
,
上杉 昌章
5
Kazuyoshi Kushida
1
1神奈川県立がんセンター骨軟部腫瘍外科
2神奈川県立がんセンター放射線治療科
3神奈川県立がんセンター病理科
4東邦大学佐倉病院病理科
5横浜市立大学医学部整形外科
1Department of Surgery of Bone and Soft Tissue Tumor, Kanagawa Cancer Center
キーワード:
bone and soft tissue sarcoma
,
骨軟部肉腫
,
surgical margin
,
切除縁
,
preoperative radiotherapy
,
術前放射線治療
Keyword:
bone and soft tissue sarcoma
,
骨軟部肉腫
,
surgical margin
,
切除縁
,
preoperative radiotherapy
,
術前放射線治療
pp.565-570
発行日 2002年5月25日
Published Date 2002/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903542
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要旨:放射線治療を併用しなかった骨軟部肉腫176例の摘出標本の切除縁評価と局所再発を調査した.今回の調査では,高悪性腫瘍でも「2cm広範切除縁」以上が確保されていれば再発は55例中2例(3.6%)と低かった.また,低悪性腫瘍では「1cm広範切除縁」以上が確保されていれば再発は38例中1例もなかった.以上より骨軟部肉腫手術においては,高悪性腫瘍では「2cm広範切除縁」以上,低悪性腫瘍では「1cm広範切除縁」以上が達成すべき切除縁であった.術前の画像評価で切除縁に危険のある症例23例に約30Gyの低線量術前照射を行った.再発は23例中1例で,「腫瘍辺縁切除縁」の殿部高悪性線維肉腫の症例であった.放射線治療を併用しなかった176例と術前照射を行った23例を局所再発率で比較すると,症例数が少なく有意差はみられなかったが,高悪性腫瘍,低悪性腫瘍とも術前照射により切除縁を一段階縮小できる可能性が示唆された.
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